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2019.02.22

  • 和食

自由が丘の和食「田園安齋」。美味しい日本酒とともに楽しむならここ

天ぷら

寡黙ながらも旨さは饒舌、自由が丘「田園安齋」の和食を悦楽!

京急大井田線・尾山台駅から徒歩2分。自由が丘の和食「田園安齋」は、静かな住宅街の一角にあります。扉を開けると、早速、出迎えてくれるのが良い香り。これだけで期待がふくらんできます。その秘密は、すべての料理の基本となる出汁。三代続く築地の伏高から鰹節と鮪節を取り寄せ、利尻昆布と合わせ、毎日丁寧に引かれています。目立つことなく、食材の旨味を引き出すことに専念する。そこに、店主の生きざまが重なります。

その素晴らしさを味わうなら、まずは餡かけ風のだし巻玉子から。来店すれば必ず注文したくなる定番です。繊細がゆえに心の奥まで沁み渡っていく味つけ。季節によっては毛蟹が入り、思わぬ贅沢に浸れます。冬瓜のくず煮は、猛暑にも合う後味さわやか。生クリーム入りのすり身を衣にして揚げた穴子黄金揚げは名物の一つ。頬張ればサクッと、フワッと肉厚な食感が続きます。その火入れは、研ぎ澄まされた集中力ゆえのもの。他にも、渾身のおまかせコースもあり、予算や好みに応じ、旬の献立でもてなしてくれます。

静かに寄り添ってくれるのが、秋田の名酒・高清水。自分の料理に最も合う理想の日本酒―そう語る店主がやっと辿り着いたものです。置いているのは、この銘柄のみ。酒造元と厚い信頼関係があってこそのことでしょう。すっきりした辛口は、四季の恵みを最大限に引き出す陰の立役者。五色白和えや茄子の揚げ煮などにもよく合います。

夜も深まれば、酔いは鮮やかに、心地好く時間が流れていきます。身も心も満たされ、穏やかな海に小舟でたゆたうかのよう。大人のゆりかごとは、まさにこのことを言うのかもしれません。その頃に食す塩むすびは、えもいわれぬ小さなご褒美。ファンも多いシンプルな一品に、作り手の実直な人柄が垣間見えます。価格も良心的で、通うにつれて新しい発見が増えていくほど。地元を愛し、常連客にも愛されるお店、「田園 安齋」。きりっとした佇まいで、日々、調理場に立つ男の背中が、何だか眩しく見えてきます。

店名 田園安齋

住所 〒158-0086 東京都世田谷区尾山台3-24-11 第十大浦ビル105
電話番号 03-3702-3774
アクセス 東急大井町線「尾山台駅」 徒歩2分
営業時間 [夜]18:00~22:30(L.O.21:30)
定休日 月曜日

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