大阪府の中でも南河内地方は、

他のところと比べても独特の個性を放つエリアです。

今回は、その地域で育まれた産物を上手に活かしたイタリアンのお店をご紹介しましょう。

近鉄南大阪線・藤井寺駅4番出口から徒歩2分の「オステリア ベッカフィーコ」。

すぐ近くには名刹・葛井寺があり、参拝を終えた後にも気軽に立ち寄ることができます。

 

まず特筆すべきなのは、どの料理にも南河内の

恵みを取り入れようとする試みでしょう。

生産者さんの想いを込めつつ、風土の豊かさをそのまま一皿に盛り込み、

お客さんを喜ばせる。それは地産地消の原点とも言えます。

 

例えば、「なにわワインたまごのカルボナーラ」は、

富田林にある「谷川養鶏」さんの名産品を巧みに織り込んだ一品。

濃厚でありながら引きずらない後味が何と言っても魅力的で、

まさにこの玉子なくしては成立しえない深い味わいです。

 

そして、看板メニューの「大阪ウメビーフのタリアータ」は、

堺市の「原野牧場」さんが日々、大切に育て上げた牛肉があってこその逸品。

シンプルな味つけと調理法で、素材の上質さを丁寧に引き出す。

その心構えと技にはとても好感が持てます。

 

印象に残る品々をコースでいただきたいなら、

全8品の「Rosa」 （税込みで7,700円）がおすすめです。

「ウニと季節野菜ジュレ」で始まり、「プロシュートと季節の果物」や

「ベッカフィーコのバーニャカウダ」、「選べる生パスタ」など。

 

お肉のメインには「大阪ウメビーフのロティ ロッシーニ風 デラウェアのソース」、

魚介には「オマール海老のポアレ ソースヴァンブラン」というように、

最後のドルチェまで期待を裏切らないメニュー構成となっています。

 

南河内エリアが持つ魅力に惹かれ、自身の料理を通じて、

関係する人たちをつなぎ、友好の輪を広げていく藤井寺の「オステリア ベッカフィーコ」。

その取り組みは、この土地に馴染みのない皆さんに新鮮な体験をもたらし、

地元の方々に自分たちの暮らす街の良さを改めて気づかせてくれるに違いありません。