多くのファンに長きに渡って親しまれているお店には、やはり、それ相応の理由というものが存在します。先代から引き継いだ教えを今も鮮やかに伝えたり、あるいは、現代のトレンドも巧みに取り入れながら新しい味を模索したり、と老舗としての自負とたゆまない努力があるからこそ、変わらず魅力的であり続けるのでしょう。今回ご紹介する福岡市・中洲川端の「博多 太兵衛鮨」も、そんなお店の一つ。およそ50年以上も地元の方々にひいきにされ、接待などにも重宝するお寿司屋さんです。
福岡市地下鉄空港線・箱崎線、中洲川端駅7番出口から徒歩2分、博多座の裏手、昭和通りと大黒通りが交わる一角に店舗を構えています。
ネタとして使用するのは、主に玄界灘産の魚介で、唐津をはじめ、壱岐、遠くは対馬の海で獲れたものがお目見えします。シャリには、名産地の中でも最高級品とされる南魚沼塩沢産のコシヒカリ。もちろん、評判の良さだけではなく、あくまで自身が握るお寿司との相性を見極めての選択です。さらに、このお米をよりいっそう引き立てるのが、尾道の赤酢。まろやかさが特徴で、旨味の濃いネタを上手に受け止めるしなやかさまで持ち合わせています。
あっさりしたものから濃い味へと順を追って提供するというスタイルも、なんとも心憎い演出です。食べるたびに鮮烈な印象が刻まれ、最後までワクワク感が続くという願ってもないスタイル。これぞ伝統的な懐石料理にも通じるおもてなしの精神と言えるでしょう。博多湾か対馬産を使う「穴子」はもちろん、〆加減も絶妙の佐賀産「小肌」、冬が旬の「あら（くえ）」、王様君臨とも言うべき「まぐろ（大とろ）」など、食材に合った下ごしらえと握りで、極上のひとときを紡いでくれます。福岡の銘酒「繁枡 純米」や「大賀 純米」などをお供にすれば、よりいっそう心地よい余韻に包まれることでしょう。
先代から受け継いだ現在の店主が、引き続き良心的に切り盛りする福岡・中洲川端の「博多 太兵衛鮨」。これまで刻んできた歳月が、最高の旨味となって「今」に溶け込んでいる見本のようなお店です。
店名 博多 太兵衛鮨（はかた たへえずし）
TEL 092-271-1845
住所 〒812-0029 福岡県福岡市博多区古門戸町2-6
アクセス 福岡市地下鉄空港線・箱崎線「中洲川端駅」7番出口より徒歩2分
営業時間
【ランチ】火曜日～金曜日11:30～13:30
【ディナー】18:00～23:00（L.O.22:30）
定休日 日曜日（月曜日が祝日の場合は日曜日に営業する場合がございます。営業状況は電話でご確認ください。）
